管理計画認定は取って終わりではない!
2027年から始まる「初回更新」と新しい表示制度
2022年度に始まったマンション管理計画認定制度が、2027年から新たな段階に入ります。
管理計画認定の有効期間は、認定日から5年間で、そのため、制度開始直後に認定を取得したマンションは、2027年から順次、初めての更新期を迎えますが、更新は自動ではなく、引き続き認定を受けるためには更新申請が必要です。
さらに2027年4月1日には、分譲事業者が新築時に認定を申請できる仕組みと、管理計画認定マンションの表示制度が始まり、今後は、マンションの立地や築年数、設備だけでなく、管理状況も外部から比較される時代が一層進むと考えられます。
なお、管理計画認定は、一度取得すれば永続する資格ではありません。
認定取得はゴールではなく、適切な管理を続けていることを5年ごとに確認する制度です。

そもそも管理計画認定制度とは?
管理計画認定制度は、マンションの管理計画が一定の基準を満たしている場合に、地方公共団体が「適切な管理計画を持つマンション」として認定する制度です。
2022年度から始まり、マンション管理適正化推進計画を策定した地方公共団体で運用されています。
認定を受けることで、次のような効果が期待されています。
- 管理状況を区分所有者や購入希望者へ示しやすくなる
- 管理組合が現在の課題を把握できる
- 修繕積立金や長期修繕計画を見直すきっかけになる
- 一定の金融支援や税制措置を利用できる場合がある
- 適切な管理を継続する意識が高まる
また、住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」の利率上乗せや、共用部分リフォーム融資の金利引下げなど、認定と連動する支援も設けられています。
2027年から最初の認定マンションが更新期へ
管理計画認定制度と、マンション管理センターの認定手続支援サービスは、2022年4月に始まりました。
認定の有効期間は認定日から5年間であるため、2022年に認定されたマンションは、認定日によって2027年から有効期間の満了を迎えます。
例えば、2022年7月に認定を受けたマンションであれば、原則として2027年7月ごろが最初の更新時期となります。
ただし、認定制度を開始した時期は地方公共団体によって異なるので、自分たちのマンションについては、認定通知書に記載された認定日と有効期間を確認する必要があります。
更新時に改めて確認される主な項目
更新は、過去に認定を受けた事実だけで認められるものではありません。
現在の管理状況について、改めて認定基準への適合が確認されます。
1.総会を毎年開催しているか
管理組合の運営については、管理者と監事が定められていることに加え、総会を年1回以上開催していることが基準となっています。確認資料としては、総会議事録や総会開催に関する書類などが重要になります。
形式的に総会を開催していても、議事録が作成されていない、署名等が整っていない、資料が見つからないといった状態では、更新準備に時間がかかる可能性があります。
2.管理規約が現在の基準を満たしているか
管理規約が作成されているだけでなく、主に次の事項が規定されていることが求められます。
- 災害等の緊急時や管理上必要な場合の専有部分への立入り
- 修繕履歴等の情報管理
- 管理組合の財務・管理に関する情報提供
現在の認定手続では、2025年10月改正のマンション標準管理規約や、2026年3月に改訂された管理計画認定の事務ガイドラインなど、最新資料の確認が案内されています。
3.管理費と修繕積立金を適切に区分しているか
管理組合の経理では、次のような点が確認されます。
- 管理費と修繕積立金を明確に区分して経理している
- 修繕積立金会計から他の会計へ充当していない
- 修繕積立金の滞納へ適切に対応している
現在の基準では、直前事業年度末における修繕積立金の3か月以上の滞納額が、修繕積立金全体の1割以内であることが求められています。
4.長期修繕計画を適切に見直しているか
長期修繕計画については、主に次の基準があります。
- 標準様式に準拠して作成されている
- 計画内容と修繕積立金額を総会で決議している
- 作成または見直しから7年以内である
- 計画期間が30年以上である
- 残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれている
- 将来の一時金徴収を予定していない
- 修繕積立金の平均額が著しく低額ではない
- 最終年度に借入金残高が残らない計画である
これらは、単に「長期修繕計画という名称の書類があるか」を確認するものではありません。
初回認定後に工事費が上昇したマンションでは、計画上の工事費と実際の見積額が合わなくなっている可能性があります。
更新を機に、工事費、積立額、予定工事、借入れの有無などを改めて検証する必要があります。
5.組合員名簿・居住者名簿を毎年確認しているか
認定基準では、組合員名簿と居住者名簿を備えるだけでなく、年1回以上、内容を確認することが求められています。ここで重要なのは、名簿を保管していることと、内容を更新していることは別だという点です。
- 所有者が変わっていないか
- 外部居住の区分所有者の住所が正しいか
- 賃貸化された住戸の居住者が把握できているか
- 緊急連絡先が変更されていないか
- 退去した居住者の情報が残っていないか
こうした確認を毎年行い、実施日や確認方法を記録しておくと、更新時の確認がスムーズになります。
6.地方公共団体の独自基準も確認する
国の認定基準に加えて、地方公共団体が独自の認定基準を設けている場合があります。
マンション管理士による事前確認では、自治体独自基準が確認対象外となる場合もあるため、所在する自治体の最新情報を確認しなければなりません。初回認定時から自治体の基準や申請方法が変更されている可能性もあるので注意しましょう。

2027年4月から「管理状況の見える化」がさらに進む
2027年4月1日から、管理計画認定制度に次の仕組みが加わります。
- 新築時に分譲事業者が認定を申請できる制度
- 管理計画認定マンションの表示制度
これまでは、主として既存マンションを対象に認定が行われてきましたが、今後は、新築販売の段階から管理計画の認定を取得し、その情報を表示する仕組みが整えられます。
これは、既存マンションにも無関係ではありません。
購入希望者が新築・中古を問わず管理状況を確認する機会が増えれば、
- 認定を取得しているか
- 認定を更新しているか
- 長期修繕計画が整っているか
- 修繕積立金が適切に確保されているか
- 会計や滞納管理が適切か
といった管理面が、マンションを比較する材料になる可能性があり、建物の管理状態を外部へ説明できることが、今後さらに重要になると考えられます。
2027年3月31日までの「マンション長寿命化促進税制」にも注意
2027年には、管理計画認定の更新だけでなく、マンション長寿命化促進税制の期限も到来します。
この制度は、一定の要件を満たすマンションが長寿命化に資する大規模修繕工事を行った場合、工事完了翌年度の建物部分の固定資産税を減額するものです。
適用対象となる工事の完了期限は、現在の制度では2027年3月31日で、減額割合は、自治体の条例により、6分の1から2分の1の範囲で定められますが、単に大規模修繕工事を行えば、すべてのマンションが対象になる制度では無いので、要件を確認するとともに、認定の有効期間を切らさないよう、工事・更新・申告のスケジュールを一体で管理する必要があります。

認定更新と税制を別々に管理しない
2026年度から2027年度にかけて、次の予定が重なるマンションは特に注意が必要です。
- 管理計画認定の有効期間満了
- 大規模修繕工事の完了
- 長寿命化促進税制の申告
- 修繕積立金の見直し
- 長期修繕計画の更新
- 定期総会の開催
これらをバラバラに管理していると、認定更新は間に合ったが税制申告に必要な証明書がない、工事は完了したが1月1日時点で認定が切れていた、といった事態が起こりかねません。
少なくとも次のスケジュールを一覧化しておくことが重要です。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 認定有効期間 | 認定日と満了日 |
| 総会 | 更新申請・計画見直し等の決議時期 |
| 長期修繕計画 | 最終見直し日と現在の基準への適合 |
| 修繕積立金 | 引上げ時期と認定基準への適合 |
| 大規模修繕 | 着工日・完了予定日 |
| 税制 | 対象要件、証明書、申告期限 |
| 担当者 | 管理組合、管理会社、施工会社、専門家の役割 |
★まとめ★
2027年は、管理計画認定制度にとって大きな節目となります。制度開始直後に認定されたマンションが初めて更新期を迎える一方、新築時の認定申請と認定マンションの表示制度も始まります。
これからは、認定を取得したことよりも、
認定基準を満たす管理を継続し、5年後にも更新できる状態を維持しているか
が重要になります。
認定の直前だけ書類を整えるのではなく、誰が役員になっても必要な情報を確認できる管理体制をつくることで、認定更新とともにマンションの将来価値を守っていきましょう。
yacneeマンション管理士
※本記事は2026年8月7日時点の国土交通省等の公表資料をもとに作成しています。認定更新の方法、独自基準、手数料および税制の申告方法は、マンション所在地の地方公共団体へご確認ください。